EVは、ガソリン車と構造が異なるため、使い方の向き、不向きがあります。ここでは、どんなユーザーがEV利用に適しているのか?また、EVに向いていない使い方はどのようなものか?をご説明させていただきます。
※EV・PHEVのオーナーになったら、これだけは注意しよう!も併せてご覧ください。
EVの購入前にこれだけはチェック!
EVの購入を考える場合、あなたのカーライフがEV利用に適しているか否かを考える必要があります。カーライフの違いによるEVの的不適は、主に以下のような点を理解すると見えてきます。
それでは、各項目を見てみましょう。。。
EVの充電とガソリン車の給油の違いを考える
充電と給油に必要な時間は?
EVは、80%程度まで充電するのに、40分程度必要です。移動中に充電が必要となったら、結構なロスになりますね。車種別にみてみると、
・日産・サクラ、三菱EK-EVは急速充電で40分
・日産・アリア(B6)は、急速充電で約45分
・三菱アウトランダーPHEVは、約38分
となっています。
自宅で充電できるEVは、給油のための移動が不要!
近距離の移動が中心なら自宅での充電だけで十分なので、充電スポットに行く必要がありません。言うならば、自宅がガソリンスタンドになるようなものです。例えば、アウトランダーPHEVは、自宅用の普通充電(AC200V 15A)の場合、満充電にかかる時間は約7.5時間で70-80km位は走行が可能です。一日の走行距離がこの範囲であれば、充電スポットへの移動が不要となります。
1回の充電、給油で走行できる走行距離の違い
EVは、航続距離が短い
1回の充電で走行できる距離は、ガソリン車の給油間隔に比べて短くなります。WLTCモードを調べてみると、、、
日産サクラ、三菱 EK-EV 180km
日産リーフ 450km (60kWh 搭載車)
となりますので、長距離ドライブの際は、ガソリン車に比べると頻繁に充電が必要となります。
構造の違いによるドライブフィーリングの違い
EVのドライブフィールは意外とGood!
EVのドライブフィーリングですが、一言でまとめると、静かで加速が良く、走りが安定していると言えます。
- モーターはアクセルを踏んだ瞬間から最大トルクを発生するため、走り出し直後の加速が非常に良いです。
日産サクラ、EK-EVの 0-100km/h 加速は、9.7秒
一方、デイズ(ターボ車)は、12秒程度 - EVは、モーターの「ヒュイーン」という音がするくらいで、近未来の乗り物に乗っているような気分になります。
- EVは、バッテリーが床面に配置されており、重心が低いので、走りが安定している車が多いです。
ランニングコストの違い
EVは購入費用は高いが、ランニングコストは安い
EV・PHEVは、補助金が支給されますが、補助金を考えても、ガソリン車に比べると値段は高くなります。ただし一部の自治体独自の補助金も含めると意外と差額は少なくなります。
※EV・PHEV購入に不可欠な「CEV補助金」と減税措置とは?で詳しく解説
一方で、同じ距離を走るのにかかる電気代は、ガソリン車(非ハイブリッド車)のガソリン代に比べると3分の1程度で済みます。更に、税金の減免措置やメンテナンス費用を考えると、ランニングコストは、非常に安くなります。
※EVとガソリン車の維持費用はどれくらい違うのか?で詳しく解説
EVならではの便利な使い方ご紹介・意外なトピックス
手軽に使える 100V / 1,500W コンセント
EV・PHEVには、100Vコンセントがある車種が多く、手軽に家電を利用することができます。アウトランダーPHEVの場合、エンジン発電も含めると最大12日間の給電が可能です。(一般家庭での一日当たりの使用電力量を約10kWh / 日として算出)
「Vehicle to Home(V2H)」で、車の電気を宅内で!
「V2H」とは「Vehicle to Home」の略です。クルマに蓄えた電気を家に引き込み、宅内のコンセントから電気を使用することができます。
EVは、こんな人に向いている、EVのメリット・デメリットまとめ
いかがですか?ここまでご説明してきたEV・PHEVの特徴を理解したうえで、EVはこんな人に向いている、メリット・デメリットをまとめてみます。
EV・PHEVのメリットまとめ
ランニングコスト | ガソリン代に比べて電気代の方が安い、更に税金やメンテナンス費用も安くなる |
自宅で充電できる | 近くにガソリンスタンドが無い地方や離島等では圧倒的に便利。一日の利用距離が少なければ、ガソリンスタンドへ行く必要がない |
ドライブフィーリングが良い | 静かで加速が良く、走りが安定していると言えます。 |
停電対策になる | 自宅用給電設備を設置すると、停電時でも通常と同じ生活ができる。給電設備を設置しなくても、高出力のコンセント(1,500W出力等)付のモデルもあり、停電時でも電気が利用できる。 |
EV・PHEVのデメリットまとめ
航続距離が短い | 長距離ドライブの際は、ガソリン車に比べると頻繁に充電が必要となる。更に暖房を使うと航続距離が更に短くなる |
充電に時間がかかる | EVは、80%程度まで充電するのに、40分程度必要。移動中に充電が必要となったら、結構なロスになる |
車両価格が高い | EV・PHEVは、補助金が支給されますが、補助金を考えても、ガソリン車に比べると値段は高くなる。 |
EVのメリットとデメリットを考えるとどんな人に向いているか?
以上を踏まえて、EV向きの人、やめた方が良い人をまとめてみます。
EVに向いている人
- 自宅に充電設備を設置できる、もしくは、自宅の近くに充電スポットがある
- 一日の走行距離が比較的少ない
- 自宅の近くにガソリンスタンドが無い、少ない
- 静かでゆったりした乗り心地が好き
- セカンドカーとして、買い物や送り迎え等、近距離移動用に考えている
EVは避けた方がいい人
- 自宅に充電設備を設置できない。近くに充電スポットがない
- 遠距離ドライブが多く、途中で充電のための時間をとれないような使い方が多い人
- ガソリン車のシフトフィーリングが好きな人